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執筆者の写真Hideki Tani

イロハベーカリー 街にパン屋さんがあるということ



僕らが運営する長袖エプロンを展開するValleyMODEでいろんな業種の方に商品を使ってもらいたい。

そんな思いを持っていたところメッセージをいただいた。


「パン屋ですがエプロン気になっています。飲食店でも使用可能でしょうか?」


パン屋さん?


想定していた使用方法とは少し違った業種からのご連絡だったからすぐに「面白い」と感じて取材させてもらった。


そしたら予想外にコロナ禍でのパン屋さんの現状と地域におけるパン屋さんの大切な存在価値をお伺いすることができたので記しておきたいと思う。



 

ひらかたパークのすぐ近くにあるイロハベーカリー


「取材当日はお店の前に車停めてもらって大丈夫ですよ」


事前にそう言ってもらっていた、

少し早く到着したのでお店の前を散策しているとその言葉通り次々とお店の前に車が停まって客がお店に入っていく。

そしてものの数分で出てきて車を動かしていた。


どうやら一からパンを選びに入店するのではなくほとんどの客は目当てのパンがあるのか、それとも予約をしていたパンを引き取りに来ていたのかと想像がついた。




「14時くらいまではとても忙しいのでそれ以降に取材しましょう」


そう話していたので約束は14時半だった、既にランチタイムは終わっているにもかかわらずパンを求める客はひっきりなしに訪れているようだった、

実際に取材中もほとんど客が途絶えることはなく予想通り予約したパンを引き取りに来る客がほとんどだった。


入店してまず目に入ったのはレジの奥にある棚に置かれていた既に予約済みのパンだった。

14時半でまだまだ予約がこれだけ残っているんだったらピークの時間は取材なんて受けている場合じゃないだろう。





「イロハベーカリーのパンは全て店長が1人で焼いているんです」


そう話してくれたのは奥さんの清水さん、ニコニコ笑顔で気さくに話しかけてくれた。




「夜中の2時から作業を始めているので、今は店長は休憩で眠っています」


パン屋さんはどこも朝は早いと聞いていたが2時とは想像していなかった。


ご主人は京阪神のいろんなパン屋さんで修行をし、15年前に結婚。

その後結婚3年目で今のイロハベーカリーを始めたそうだ、つまりお店は12才。



少し調べてみると2020年にはパン屋さんの廃業が過去最多となっている、材料費の高騰や後継者問題、コンビニの増加、パン屋さんの増加などが原因だ。


地域のパン屋さんは非常に厳しい。

そう想像していたから純粋に質問をぶつけてみた。


「コロナの影響もあって大変じゃないですか?」


そうすると予想外の答えが返ってきた。



 

わざわざ買いに来るパン屋さんの存在



「コロナ禍に入ってむしろお客様の数が増えています」


やっぱり外食ができないからパンを買って家で食べるんですかね?


そう聞いてみたら、


「そうだと思います、今は京都からも買いにきてくれるんです。土曜日が普段とても忙しいんですけど平日も土曜日くらい忙しくて、夏はパンの売り上げは落ちるんですけどこの夏は本当に忙しくて大変でした」


そう答えてくれた、


「あ、でもショッピングセンターとかに入っているパン屋さんは厳しいみたいです」


とも教えてくれた。






コロナ禍に入って外食の需要が落ちているのは言うまでもないが、


"中食(なかしょく)"が増えていると言われている。


外食と家食の中間であるデリバリーやテイクアウトが中食である。


ショッピングモールなどのパン屋さんの多くはパンを求めて出かけるのではなくついでにパンを買って帰る"ついで買い"がメインだ、それに比べて地域のパン屋さんはその商品を求めてわざわざ買いに来る。


2020年にパン屋さんが大幅に減少した理由はコンビニの増加や安価なフランチャイズチェーンのパン屋さんが増えたからだと言われていた、

つまり「わざわざこだわったパンを買う」という需要が減って、ついでにパンを買うことがトレンドになっていた。


しかしイロハベーカリーでは真逆である、


わざわざ予約をして

わざわざ他府県から

わざわざ買いに来る。


トレンドになっている流れとは全く違う、そしてその理由は新型コロナか?と言われるとそうでもない気がしていた。

確かに前に書いたようにコロナの影響もあり自宅でおいしいパンを食べたいという需要が増えたのは間違いないだろうが、それでも厳しい経営をしているパン屋さんも多いように感じていた。






僕がイロハベーカリーの強さを一言で表すとしたら「らしさ」だった。


取材した時間のせいもあるかもしれないが棚の量をみてみてもパンの種類は多いかと言われるとむしろ限りあるこだわった種類のパンを適正価格で販売しているように感じた、


もし僕が一見でなにも知らずにお店に入ったら「え?少し種類が少ない」と感じるかもしれない。

商品も一般的なチェーン店のようにソフト系のパンではなくハード系のパンが多かった、

「好きな人は好き」そんな印象だ。


しかしそれがらしさなんだと思う、素材に対するこだわりやお店の雰囲気、予約の多さなどを考えるとイロハベーカリーらしい運営方法なんだと思う、だからお客様に愛されている。


元々いなかったお客様がコロナで増えたわけではなく、元々たくさんいたお客様がコロナでよりイロハベーカリーを求めていたんだと思う。


清水さんもおっしゃっていた

「元々予約が多かったんです、でもコロナ禍でそれがより強化されたんです」


"愛されているから選ばれる"


当然のことなのだけれど、当然じゃない。


地域におけるパン屋さんがどれほど"らしく愛される"のか、それは地域で商いをする僕にもとても勉強になった。






お話をしてくれた清水さんは元々子供服のデザイナーをしていたと最後に聞かされてとても嬉しかった、弊社の商品をみた瞬間に「かわいい」と思って連絡をくれたそうだ、


使ってみた感想を聞いてみると


「とにかく肩が凝らない!」と教えてくれた、ファッション業界にいた方に褒めていただけるのは非常に嬉しいが、何よりも僕たちが作った商品が地域で愛されているお店の一部になっていることが嬉しかった。


取材した日はまだ少し肌寒かったけれど、なんだかイロハベーカリーのお客様の愛情を僕たちも少しいただいているような気がして、少しポカポカした気持ちで帰路についた。



ちなみに購入したパン・ド・カンパーニュはめちゃくちゃおいしかったので次回は予約して買いに行きたいと思う。





ちなみにきていただいた長袖エプロンはこちらからご購入いただけます。







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