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【何が良いの?】オーガニックコットンにまつわるお話



SDGsや環境への意識の高まりとともに、「オーガニック」という言葉を耳にする機会が増えました。

そのうちの一つにオーガニックコットンというものがあります。

当店でお取り扱いしているブランド、「ORGANIC GARDEN」は全ての靴下にオーガニックコットンを使用しているのが特徴です。

しかしオーガニックコットンと言われても「なんとなく環境に良さそう」「体に優しいのかな?」くらいのざっくりとしたイメージしか持っていない方も多いのではないでしょうか?

今日の記事では、オーガニックコットンについてメリットやデメリットまでしっかり解説いたしますので、

読み終えた頃にはとても詳しくなっているはずです。






それでは、早速見ていきましょう!

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オーガニックコットンとは

オーガニックコットンは「オーガニック」と「コットン」の二つの単語が繋がってできた言葉です。

まずオーガニックとは、日本語で「有機」といいます。

「有機的」というと動物や植物っぽいイメージ、無機的というと鉄やプラスチックのようなイメージがありませんか?

これと同じで、オーガニックは農薬や化学肥料のような人工物を使ったり遺伝子組み換えなどをせず、

太陽・水・土のような自然の恵みだけを使用して栽培された植物や飼育された動物に使われます。

コットンとは日本語で「綿」と呼ばれる、植物の綿毛から作られている繊維です。

Tシャツからシャツ、デニムやキャンバス地のバッグにまで、様々なものに使われています。



詳しい特性やケア方法などはこちらの記事をご覧ください。

https://www.valleyjournal.info/post/素材ごとの特徴やケア:人工素材編


この二つが組み合わさった「オーガニックコットン」は、簡単にいうと農薬などを使用せずに育てられたコットンを指します。

正確には、オーガニックコットンを認証する機関がいくつかあり、その基準に当てはまったものをオーガニックコットンと呼びます。


その基準は機関によっても異なりますが、「環境に対するインパクト」と「労働安全性」の二つを基本的な軸として、紡績から商品としての最終行程までそれぞれの段階で細かく設定されています。

労働安全性の中には児童労働の防止や低すぎる賃金の菌糸などが含まれます。

環境への負荷だけでなく、従業員の安全や健康まで基準に入っているのは興味深いですね。


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メリットとデメリット

オーガニックコットンとはどんなものなのか分かったところで、何がいいのか、何が悪いのかを見ていきましょう。

整理するとそれぞれこのようなポイントが考えられます。

○メリット

・環境への負荷が小さい

・労働者への負荷が小さい

・肌に優しい

○デメリット

・価格が高い

・見た目が地味

順番に見ていきましょう

・環境への負荷が小さい

まず一つ目に、比較的環境への負荷が小さいという点が考えられます。

製造過程で殺虫剤や除草剤、農薬などを使わないことで、土壌汚染なども起こらず生態系への影響も小さいと言われています。

水質汚染への影響は98%下がるというデータも。

またコットンは成長に多くの水を必要とする作物で、Tシャツ(約200g)を一枚作るために2700リットルの水が必要だと言われています。

しかし農薬を使わなければそれを90%ほどカットし、243リットルで作ることができるといいます。

そのため水を汲み上げる必要もなく、雨などで自然に得られる水でほとんどを賄うことができるため、地下水の枯渇や飲料水の不足などにも効果があります。

またオーガニックコットンの栽培は小規模で行われることが多く、機械も使われにくいため、温室効果ガスが通常栽培に比べ46%もカットできます。


・労働者への負荷が小さい

認証基準からもわかるように、オーガニックコットンの生産では労働者への配慮もなされます。

そのため、児童労働であったり危険な環境下での労働、不当な賃金での雇用も起こりにくく、通常栽培よりも労働者と購入者がフェアな関係に近づくと言えます。

また上で述べたように、飲水の枯渇が防げるというのも労働者にとって重要な点です。

・肌に優しい

服や靴下は、一日のなかで最も長く肌に触れるものです。

農薬が使われていないことで、肌荒れや肌への負荷が高まるリスクは下げることができます。

しかし、これは農薬の種類や加工方法によっても変わるため、はっきりとした確証はあまりありません。

・価格が高い

ここからはデメリットです。

まず、オーガニックコットンは雑草の除去や害虫の駆除、収穫まで手作業で行わなければならないため、手間がかかります。

加えて、賃金を下げてコストを抑えることもできないため、自ずと価格は上がります。

それにより通常栽培のコットンよりも手が出しにくいという短所があります。

・見た目が地味

またオーガニックコットンは加工工程にも制限があります。

なので、強力な洗浄や漂白をすることができず、生成り色が残ったナチュラルな風合いの仕上がりになります。

染料にも規定があるため、パキッとした色合いを出すことはかなり難しく、見た目は地味になってしまいます。

当店で取り扱っているORGANIC GARDENの商品もナチュラルな風合いのアイテムが多いです。

https://valleykazoku.theshop.jp/categories/2919135


しかし、自然な雰囲気のスタイリングに落とし込めれば輝く特徴でもあるため、メリットとなることもあるかもしれませんね。

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最後に

オーガニックコットンのメリット・デメリットをまとめましたが、これ以外にも気をつけなければいけないことはいくつかあります。

例えば、栽培のみがオーガニックコットンの基準をクリアしており、加工の段階では全く配慮がされていないという商品でも、「オーガニック素材を使用」と表記することはできます。

また、少ない割合でオーガニックコットンを混ぜたアイテムも「オーガニックコットン使用」ということができます。

勘違いをしないためにも、製品のサプライチェーン全体を見る必要があります。

加えて、本当に純粋なオーガニックコットンであったとしても、完全に環境に良いわけではないことを覚えておかなくてはなりません。

当然ながら国境を跨ぐような輸送には莫大なエネルギーがかかりますし、認証機関の基準は満たしていたとしても低い賃金で働く労働者はいます。

私たちの消費という行為には、必ず裏側で負荷がかかる場所があることを覚えておかなければなりません。

安いものを買えるということは、安い賃金でそれを作った人がいるということですし、

元々その土地で手に入らないようなものを買えるということは、無理な生産や輸送が行われているということです。

私たちは購入にも責任があるということを自覚した上で、お買い物をしていく必要があるかもしれませんね。

この記事が皆様のより良いお買い物のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。




谷家屋

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