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執筆者の写真谷家屋 -Kazoku Ya-

ビニール袋はエコじゃない?

更新日:2021年3月16日





2020年7月、ビニール袋が有料化するという出来事が起こりました。


生活に深い関わりがあったため、関心が高かった方も多いかと思います。



「二酸化炭素を減らすため?」


「ほんとに効果あるの?」



有料化の当時は戸惑いの声も聞かれましたが、実際にどのような狙いがあったのか、いまだに知らない方も多いのではないでしょうか。


今回はビニール袋にはどんな影響があるのか、エコバッグの使用に意味はあるのか、まとめていきます。



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ビニール袋の特徴


まず、ビニール袋は石油から作られており、プラスチックの仲間です。


ビニール袋以前に使われていたのは紙袋でしたが、日常で使うとなると困った点もありました。


コストが高い、水に弱い、重い、かさばるといった特徴です。


そこで、これらの弱点をカバーできる丈夫なビニールが開発され、日本にも入ってくるようになると一気にビニール袋が普及しました。


ビニール袋の始まりは、人の便利さという一点のみが重視されていたことがわかります。




それでは、ビニール袋にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?


ビニール袋の使用には大きく分けて二つのリスクがあります。


それは環境汚染と地球温暖化への影響です。


環境汚染への影響がある理由としては、ビニールの自然に分解されないという特徴と、有害物質を含んでいることがあるという特徴によります。


簡単に分解されないからこそ、海に流れて海洋生物に絡みついてしまったり、いつまでもゴミが減らないという問題につながります。


また、元から含まれる有害物質が流れ出したり、不適切な処理がなされることによって有害物質が発生することにより、生態系への影響も深刻になります。




リサイクルをする過程でも毒性のある物質が発生するリスクがあるようです。


地球温暖化への影響としては、石油から作られているという点や、製造段階やゴミ処理段階の焼却時にも二酸化炭素が発生するという点が考えられます。


ニ酸化炭素排出量は、2030年までに2020年の半分、2050年までに0にしなければ、地球温暖化のターニングポイントを超えてしまうと言われているため、こちらも深刻な問題です。


このようなビニールの問題を受けて、脱石油・脱プラスチックの動きが高まりビニールバッグ有料化が決まったようです。


このキャンペーンについて、経済産業省はHPで「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています」と説明しています。


ビニール袋は、日本のプラスチックゴミの約2%を占めるにとどまり、実は包装や容器、ペットボトルなどが大きな割合を占めています。


その事実から、「意味がない政策なのでは」と考える人も多かったようですが、生活を見直すきっかけや象徴としての取り組みと言えるかもしれません。


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エコバッグの効果


これまで、ビニール袋の有料化について見てきましたが、ここからエコバッグやマイバッグの使用はどれくらい効果があるのか、取り上げていきたいと思います。




「ビニール袋の変わりにエコバッグを使えば絶対に環境にいい!」というわけではないんです。


エコバッグを作るのにも当然ながら資源やエネルギーが使われており、エコバッグがプラスに働くかは使い方によって変化します。


では、どれくらい使えばエコバッグに意味があると言えるのでしょうか?


ビニール袋とポリエステル製のマイバッグについて、二酸化炭素排出量を比較した日本LCA学会の研究によると、マイバッグを50回以上使わないとビニールバッグより二酸化炭素排出量が多くなるという結果が出ています。




また、ライフサイクルアセスメントという、商品の原料生産から縫製まで含めた環境負荷の評価方法に基づくと、紙袋なら約11回、布のエコバッグだと約840回、オーガニックコットンのバッグだと約2400回使わないと、レジ袋よりエコだとは言えないという研究結果もあるそうです。

(こちらは元のデータがどこか不明ですので、あくまで参考程度に考えてください。)


しかし、このデータは原料の生産・加工・染色・輸送など様々な要素で変化しますので、実際はアイテムによって細かく変化します。


また、これはビニール袋を一度しか使用しないという前提での計算ですので、ビニール袋を2回使うとさらに2倍、3回使うと3倍と変化します。


バッグを使っていく中で洗濯などを繰り返せば、さらにその分負荷は増えていきます。


このように、エコバッグも少ない使用回数では全く環境に優しくないということがわかって頂けたと思います。


ただ絶対的なプラスチック量を減らすことで、海洋汚染対策などには役立つといえます。


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これからどうしたらいい?


では、私たちはどうしたら良いのでしょうか?


確実に一つ言えるのは、どんなものでも長く使っていくことで環境負荷を減らせるということです。




それは洋服も同じで、長く着続けることで生産の環境負荷を長期的に下げることができます。


洗濯で環境負荷が増えることはありますが、それでも新しく一着生産するよりは圧倒的に小さく抑えられます。


Tシャツ1枚分のコットンを作るだけでも2700リットルの水が必要で、それに加工や輸送という要素が乗っかってくるので、それと比較すれば洗濯の負荷はかなり小さいことがわかると思います。


そのためには、自分が長く使いたい、着たいと思えるものを選び、責任を持って購入する必要があると思います。


また、今の大量生産大量消費の生活は、人の便利を追求してきた結果としての状態です。


そこから脱するためには、自分で考えて行動をし、本来受け入れなければいけない不便を受け入れることが不可欠です。


売ること、買うこと、使うことそれぞれの責任を自覚しながら生きていくことが求められているのではないでしょうか?


谷家屋でも、クオリティーが高く長く愛していただけるような商品を、責任を持って取り扱って参りますので、今後もご覧いただけますと幸いです。



谷家屋


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